@ 東北地方出身で都内在住の大学4年生、安藤可奈さん(21才・仮名)は、コロナ禍で初めて迎えた年末年始に、迷ったあげく帰省しました。「もう1年以上帰省できておらず、就職も決まったことだし、今年くらいは絶対に両親と過ごしたいと思いました。」とのことです。実家はいわゆる「過疎地域」にあり、近所は皆高齢者。自分が帰省したことで地元にウイルスをばら撒いてはならないと思い、自費で民間のPCR検査を受け、陰性であることを確認するなど、徹底した感染症対策も行いました。
A 帰省は新幹線とローカル線を乗り継ぎ、自宅の最寄り駅まではお父さんの迎え。その間に、他の人との接触はありませんでした。どこにも立ち寄らず、無事自宅の玄関に着いたときは、思わず涙が溢れたそうです。都会での一人ぼっちの生活、いつもと違う時期を気丈に振る舞ってきた(悲しいことがあっても元気に明るく過ごしてきた)た反動からか、自宅の安堵感に泣いてしまったそうです。
B ところが、買い物から帰ってきた母親が目に涙を浮かべて「魚屋に買い物に行っら、東京から娘さんが帰ってきているだろう、店に来ないでくれと言われた。」とのこと。誰にも見られていない、と思っていたましたが、昔から面倒を見てくれていた、近所のおばさんにお土産を渡しました。おばさんは快く受け取ってくれたのですが、おばさんの息子さんが『東京の土産なんか受け取るな』と怒った上、「非常識な行動だ」と近所の人々に触れ回ったそうです。このため、近くの工場に勤めているお父さんの会社から電話がきて、娘が帰省しているなら正月明けに出社をするなと言われたそうです。