@ 生き物の最初は、ものすごく単純な物質でした。これが変化して自分で増えるようになりました。その中で増えやすいものだけが生き残ってきました。これが「選択される」ということです。この変化と選択を繰り返すことが進化です。この進化のサイクルは、生命が誕生した38億年前からずっと続いています。その結果が、いまの私達「人間」です。
A 進化とは「強いものが生き残る」というイメージあるかもしれませんが、実際には偶然がほとんどです。生き延びたのは強いものというよりも、運がいいもの、隠れるのが上手なもの、小さい生物だったからなど、いろんな性質が関係しているのが真実なのです。
B 例えば、3億年ぐらい前の古生代(恐竜が誕生する前の時代)に、羽を広げると70センチのトンボがいました。これは肉食で強かったのですが、あっさり絶滅しました。では、どういうトンボが残ってたかというと、例えば蜻蛉(カゲロウ)です。成虫になったら、数時間しか生きられない命です。あまりにも短いから、口すらないんです。そんな一見弱そうな生き物が生き残っていて、幅70センチあるトンボは絶滅してしまいました。たまたまその条件で生き残れるものが生き残れたのです。