@ 今年6月、消費者庁から食物アレルギーに関する調査結果が示されました。食物アレルギーとは、「食べたものの影響で、皮膚のかゆみ・下痢・おう吐など、さまざまな症状が出ること」です。年齢別にみると、いちばん多かった年齢は0歳。また、全体の80%を6歳までの子どもが占めることがわかりました。
A 食品表示制度で「アレルギーを引き起こすおそれがある食品の表示」が義務づけられている食品として、卵・牛乳・小麦・そば・ピーナツ・エビ・カニの7品目があります。そのなかで、どんなアレルギー多かったのか分析したところ、にわとりの卵が33%、牛乳が19%、小麦9%などとなっています。
B 最近の研究で、「過度に衛生的な環境はアレルギーに傾きやすい体を作っている」ことが分かってきました。例えば、家畜のいる農家で育てられた乳幼児は、アレルギーが少ないとされています。また、兄弟姉妹が多い場合にもアレルギー児が少ないことが分かっています。これらの事実は、過度に衛生的な環境よりも、適度な細菌刺激のある環境の方が免疫力(=病原菌やウイルスなどの異物から体を守る体の働きのこと)が付き、アレルギーになりにくいことを示しています。こういう事実から科学的には、過度に身の回りを消毒しすぎると、かえって健康的には好ましくないと言えます。