@ 日本人は、昔から塩にはモノを清める(きれいにする)働きがあると信じてきました。したがって、力士が塩をまくのは土俵を清めるという意味があるのです。つまり、これから戦う土俵を清めるために塩をまくというわけです。
A ところで、すもうの場合、土俵に上がってすもうを取ってから帰るまでに、じつにいろいろなことをしています。塩をまく動作だけではなく、その他の動作のひとつひとつにも意味があるのです。例えば、ひしゃくで水をくんで口をすすぎます。あれは「力水」と言われるもので、自分の体を清める意味があります。土俵で「しこをふむ」という動作は、地下にいる悪者を踏みつぶすという意味です。
B また、しゃがんでパンと手をたたいてから手を広げる動作があります。これは手に何も武器を持っていないことを相手に示すということなのです。すもうは、日本に昔からあるスポーツで、長い歴史があります。小さなしぐさのひとつにもちゃんと意味があるのです。