島根県学校図書館協議会主催で実施されている「読書ノート」と出会いました。邑智郡は、この「読書ノート」において島根県内の先進地でもありました。
読んだら書く、書いたら読む。 ……この積み重ねが、せっかくの読書をより確かなものにしていく。学力もごっそり引き上げる。
このことについては、『君たちはどう読んでいるか』(岩崎弥太郎)で学んでいました。ただ、実践のきっかけがつかめないでいました。そこへ現れたのが「読書ノート」です。
17.02.27(日) 「読書ノート」を突破口に!
しかし、全校生徒が少ないとはいえ、国語教員の私が全校生徒をカバーすることは、かなりハードなことでした。 ⇒結局は、強制しない方法を採用。時々全員提出はあっても、基本的には少数の積極的な生徒の面倒を見てやることにしました。その中で、Mさんのことは強く印象に残っています。
Mさんは入学当時、国語の成績は10段階で3でした。この子はしかし、精力的に嬉々として「読書ノート」を提出し続けました。そして3年生になると、国語の成績は7になりました。英語も3から7に跳ね上がりました。
引っ込み思案だったこの子が、図書館に関わる委員会の委員長になり、人前で堂々とスピーチ出来るようにもなりました。生活全般にわたって自信に満ちた言動ができるようにもなりました。
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『君たちはどう読んでいるか』に紹介されている、松江四中の山本博行くんの実話の、小さな再来と出会いました。
ただ、以後の勤務校3校(頓原中⇒吉田中⇒教頭として務めた赤来中)では、「読書ノート」が(飯石郡として)行われていませんでした。部活動にあくせくして、いっぱいいっぱいだった私は、あえて「読書ノート」は避けざるを得ませんでした。 ……ただし、それに替わる小さな実践は行いました。
校長として飯石郡に戻った平成14年、郡内の指導的立場になったのを機会に、郡内に「読書ノート」を提唱。コンクールも実施しました。3年目には約半数の学校(10校)から150冊以上が集まり、コンクールも順調に進みました。
町村合併後、飯南町6校ではすべての小・中学校で、熱心な先生のもと「読書ノート」の地道な実践が行われています。
「読書ノート」に関して、小田小(平成14年度〜16年度)の例では、特に2人の児童(1年生・2年生)が印象に残っています。
夕食までは日課のようにして本を読んだり、読書ノートを書いたりして、一年間で20冊近いノート(ほぼ2週間で一冊)を書き上げました。2人とも、県読書ノートコンクールで最優秀賞を受賞しました。
一年間で、(家庭において、)どれだけ本を読み、文章を書きためたことでしょうか! ⇒その成果は、「本を読むことが好き」「文章を書くことが好き」につながるとともに、全国標準学力調査の結果(2人とも国語は満点)にもはっきりと出ています。情緒の安定、「生きる力」にもつながっています。
子ども達に家庭学習を促し、読み書き能力を向上させる方法はいくつかあると思います。が、この「読書ノート」の実践は、明らかに成果が上がる一例であることを示しています。
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