『ふじつる』第15集をお届け致します。今年も多くの皆様の深いご理解と温かいご支援に支えられて発刊できたことを、心より感謝申し上げます。
この『ふじつる』は平成22年度から、赤来地域の各学校卒業学年の皆様の作品を届けていただいております。おかげさまで今年度も歌集『ふじつる』は、地域の「心の架け橋の一助」となることを願って発刊することが出来ました。児童生徒の皆さんには、素朴な作品、キラリと光る表現の作品、文学的な作品、なるほどと唸らせられる作品など、価値ある作品をお寄せいただき、この歌集に「華」を添えていただきました。先生の作品をお寄せくださった学校もあります。担当の先生、児童生徒の皆さんには、卒業を控えて忙しいなか作品を送っていただき、ありがたく厚くお礼申し上げます。
短歌の魅力の一つは、リズムの心地良さが挙げられます。五・七・五・七・七という韻を踏む独特のリズムは、古来より日本人に愛されてきました。声に出して読んだとき、滑らかに心地よく響きます。テーマは日常にあるので、短歌を趣味にすると日常生活でも旅行先でも心象をとらえ感じようとする癖がつき、生活がとてもフレッシュで豊かなものとなります。季節の移ろいの微妙な美しさなど、毎日の生活一瞬一瞬を大切に生きることにつながっています。
赤名短歌会の会員は十人という少人数です。一年一年、年齢を重ねてもいきます。しかしながら、地域の温かい支えを励みに、短歌という伝統文化の灯を赤来地域に点し続けていきたいと決意を新たにしております。
終わりになりましたが、飯南町教育長 矢飼 斉様には「第十五集にはコロナ禍の特別な作品があるように思います」と終息を願う寄稿を賜りました。学校を代表して赤名小学校 廣澤 守校長様には「一即一切、一切即一」という言葉を引用された印象深い祝辞を賜りました。ご多忙の中から感銘深いご寄稿をいただき、ほんとうにありがとうございました。
なお、この歌集制作に当たっては、発刊の趣旨をくんでいただき、「赤い羽根共同募金」から温かい助成をいただいております。この場を借りまして厚くお礼申し上げます。
赤名短歌会会長 烏田勝信