要約学習の
授業を終えて

.

2023.9.24


ホームへ戻る



先週
同じ小学校に2日続けて伺い
1年生〜6年生 全てのクラスと
特別支援学級2クラスの授業を行いました。

1年生・2年生・特別支援学級については
「音声言語」のみで授業を進めました。
指導者の話を聞き
⇒ペアの仲間に伝える。


3年生以上については
通常どおりの授業を展開しました。
その際
ワークシート2枚
学習活動4種類について
点検した上で一覧表にし
コメントを付して学校にお返ししました。

今回はこの分析について
以下に紹介します。

3年生=15人
4年生=14人
5年生=18人
6年生=16人




前書き


 図式を拝見しました。「図式名人」は下表の通りです。図式名人に認定するためには、@ 図式が「キーワード」であること、A「文章が構造的に図式化(3D化)」出来ていること、という2つのハードルがクリアー出来ていないといけません。

.






読みとり図式
図式名人 おしい

あとひと息
A=○

B=×
A=×

B=○
A=×

B=×
途中
判定
不可能
無記入
3年生 6 2 4 1 1 0 0
4年生 7 1 4 1 0 1 0
5年生 12 2 2 0 0 2 0
6年生 12 0 2 1 0 1 0
A=キーワードである  
B=3D(立体的)である

※「おしい」は少し手を加えると「図式名人」になる惜しい図式。 



 読みとり「図式」に関しては、文章の内容・量などの違いがあるので、学年間での比較は一概に出来ませんが、大方の傾向はつかめると考えています。

 3年生・4年生は、他校の同学年と比べて図式名人(通常3年生は20%程度、4年生は40%程度)がやや多い傾向にあります。全体的にキーワードを掴みながら読み進めることが出来ています。この上は全員が文章構造(組み立て)が分かる図式目指して、引き続き精進してほしいと期待しています。

 5年生・6年生については、学級全体的に「図式」の概念がつかめています。今後は文章の構造が示せる図式がコンスタントに書けるよう、各教科の授業において、効果的に図式を取り入れて行かれることを期待しています。

 併せて、図式レベルを高めることを通して「論理的思考力」もぐんぐん延ばしていって欲しいと期待しています。

 なお、全ての学年において学習に立ち向かう児童の皆さんの姿勢が前向きで、純真な姿が心に強く残りました。

.











図式の文章化
5点 4点 3点 2点 1点 0点
3年生 6 4 2 2 0 0
4年生 6 3 2 1 1 1
5年生 7 5 3 2 1 0
6年生 11 4 0 0 0 1
時間=5分




 図式を見ながらの文章化については個人差がありますが、よい図式を書ける児童は文章化も良好という相関関係にあります。

 合格点(4点以上)の児童については、この基盤を背景に「調べ学習」の際、著作権違反にならない調べ学習を当たり前のように実現していってくれることを期待しています。

.











聞き取り図式
図式名人 おしい

あとひと息
A=○

B=×
A=×

B=○
A=×

B=×
途中
判定
不可能
無記入
3年生 7 1 7 0 0 0 0
4年生 5 1 4 2 1 1 0
5年生 7 6 3 0 0 2 0
6年生 8 4 3 0 0 1 0
A=キーワードである  
B=3D(立体的)である


題材

3年生=アリ
4年生=ニワトリ
5年生=太陽 
6年生=平均寿命


 聞き取りついては、読みとり図式と相関関係にあります。ただ、読みとり図式と比べて聞き取り図式は、全体像が見えない中で図式を書き進めていくため、一般的に難易度が上る傾向にあります。

 どの学年も、何とか立体的に図式を書こうという気持が伺えました。

 この聞き取り能力は、全ての学習の基盤となっています。また、日常生活において活用範囲が広いので、今後どんどん「聴きながらの図式化」の機会を増やしていって欲しいと期待しています。

 その際、聞きっぱなし出はなく、アウトプットを抱き合わせで導入されると、理解力の向上及びプレゼン力の向上に大きく寄与します。

.














プレゼンテーション


 読みとったり聞き取ったりしたことをプレゼンする学習については、どの学年も極めて前向きで、感心しました。ほぼ全員が、3回目の「図式を見ずにプレゼン」にチャレンジしていました。

 今後、スピーチ前には図式を書いて内容を脳裏にたたき込み、語りかけるようなスピーチが出来るよう生活の中で実体験を重ね、将来のプレゼン(スピーチ)名人を目指していってほしいと期待しています。

.













メディアリテラシー
〜情報活用能力〜
6個〜 5個 4個 3個 2個 1個 0個
3年生 15 0 0 0 0 0 0
4年生 12 0 1 1 0 0 0
5年生 14 1 2 1 0 0 0
6年生 14 1 0 0 0 0 1

題材
(それぞれの良さを3個以上ずつ考える)
時間3分

3年生=保育所と小学校
4年生=春と秋
5年生=大人と子ども
6年生=浜田と○○(20年後に住んでいるだろう場所)

 「自分の考えをまとめ発表する」学習(メディアリテラシー)は、どの学年も素晴らしい頑張りが見られました。3分という短時間の中で、意欲的に嬉々として取り組んでいる姿が印象に残りました。

 今回も2つの事象を比べながら果敢に「よさ」を見出す学習形態を取りました。何ごとも長短があります。その「よさ」に目を向け、前向きに生活するよう無言のメッセージを送る意図がありました。

 同時に、ディベート的な発想ではなく、反対の立場の気持や根拠を十分に考慮しながら考えを進めたり、意見を述べたりする姿勢を培う機会となればと企図して行いました。

 今回は「限られた短時間でいかに数多く根拠を見つけるか」を評価規準としました。

 なお、今求められている学力は、受け取るだけではなく「調べたり考えたりして自分の考えを練り、まとめ、人に伝える」という情報活用能力です。今後、機会を見つけては与えられた時間内に短期集中・全勢力傾けて思考を巡らす⇒プレゼンする機会を設けていかれることをお勧めします。

.









  



音声言語のみの学習
低学年&特別支援学級


 発達段階として、2年生までは「図式」を書く学習はハードルが高すぎます。そこで、保育所勤務時代に行って成果を上げていた「音声言語」による学習指導を実施しました。

 2人ペアを作り、そのうちの一人が別室で私の話「もぐら」「ハエ」「サボテン」などの話を(図式を見ながら)聞きます。

 ⇒ 教室に戻り、ペアの友だちに内容を伝えます。
 ⇒ 挙手により、代表一人が前でプレゼンします。

 ……この繰り返しです。

 なお、特別支援学級については、一人ずつ(話を聞き役の)先生に付いてもらって行いました。

 1年生も2年生も学習規律がしっかりと確立しており、バリバリと授業が進みました。特に1年生の学習集団については、(発達段階として)立派すぎて驚きました。

 特別支援学級については、「情緒障碍児学級」3人は10題目とも、見事に満点近い成績でした。「知的障碍学級」3人については残念、なかなか私の話が中に入っていきませんでした。保育所の経験で自信を持って臨んだつもりでしたが、認識が甘かったと大いに反省しています。

 もし次にチャンスがあるとしたら、興味関心のある内容を事前にリサーチすること、実物を持ち込むこと、この2点を心がけたいと肝に銘じて帰りました。

.





授業を終えて

○○中学校3年生
2023.1.30