要約学習
音声言語編

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2020.11.1(日)


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このコメントの部屋は
要約学習ラッシュが原因で
10月4日から
しばらくお休みとなりました。

この間
毎週3日〜4日
午前2時間か
午後2時間ではありますが
要約学習をこなしてきました。
12月中旬まで
この要約学習ラッシュが続きます。

授業に使用する教材は
9月の内に作成が終わっていましたが
1時間に児童・生徒一人当たり
ワークシートが2枚です。

この点検(コメントを書いてスタンプ押印)に
一クラスあたり
たっぷり2時間はかかります。

ところが
その点
小学校低学年は
ワークシートがありません。
図式を書かせるのは
発達段階的に無理があるからです。

10月30日は
久々に小学校低学年で
授業だけ頑張れば
それでオシマイです。

ということで
このことを題材に
久々のコメントです。




聞いたことを伝える


 これは以前から、初めて「要約学習」を学ぶ児童・生徒に対して行ってきている学習指導です。導入から、即「文章を図式化する」学習に入ると、抵抗感を感じて意欲を削ぐ危険性があります。経験的に、その傾向を知りました。

 そこで「要約学習」の導入は、音声言語に決めています。2人ペア学習とします。


@ ペアの一人が別室で、指導者の話(鳥が空を飛ぶための体の仕組みは? など)を聞く。
A 教室に戻って、ペアの人に伝える(プレゼンする)。
B 代表者(挙手指名)が、前に出てプレゼンする。

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 低学年にとって、キーワードを掴んだり、図式を書いたりする学習はハードルが高いようです。実際は普遍的にどうかは不明ですが、私は経験的にそのように捕らえています。

 そこで、低学年は一時間の授業を通して、上記の「音声言語」による学習指導の形態を取ります。

  

 先日は2年生の授業を行いました。扱った題材は、次の通りです。


タツノオトシゴ(オスが子どもを産む)
コウモリの秘密(超音波)
鳥が空を飛べる秘密
髪の毛の役割
森の中でクマに遭遇したら?
トイレットペーパーの三角折り
アメンボの秘密(水に浮く)
ハエの秘密(天井に留まる)

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 むろん、授業が活性化するためには、「題材」がポイントになることは言うまでもありません。が、基本的に音声言語の伝え合いは、子ども達も意欲的になります。「音声で伝える」ということ自体が、アクティブで意欲をかき立てるようです。

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要約学習は学力の基盤
学力そのものです


 頭脳を意識すると、次のような手順になります。


@ 聞いたことを理解する。
A 聞いたことを覚える(メモ無しで内容保持)。
B 第三者(ペアの相手)に伝える。

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 考えてみれば日ごろの授業は、(子ども達にとって)聞くことの連続です。脳の働きは、日ごろの「学習の姿」そのものです。@ABの流れが得意な子どもは、学習の成果が上がります。成績も優秀です。不得意な子は学んだことが定着せず、学習も遅れがちになります。

 この一連の学習は、積み重ねれば着実に成果が上がります。

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音声言語から文字言語へ


 音声言語で訓練しておくと、(音声と文字の違いだけで)脳の思考回路は同じです。

 ところが音声言語が文字言語に変わると、子ども達にとっては一気に難度が上がります。極端なことを言うと、音声言語だと保育所の年長児でもクリアーする題材であっても、(同じ内容を)文字言語で提示すると、小学校3年生であっても、一気にハードルが高くなります。

 そこが不思議なことでもあります。いや、人間にとって「文字を手に入れた」歴史の浅さを考慮すると、当然のことかも知れません。

 したがって、音声言語から文字言語への移行については、日ごろからの「読書」(文字文化に親しむ、読字理解についての抵抗感を取り除いておく)が、重要な前提条件となります。

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将来花ひらくことを期待して……


 低学年の「要約学習」については、一題材ごとに代表者(挙手・指名)が前に出てプレゼンをします。

 その際、実物投影機で(指導者作成の)図式を投影します。このことが、3年生に進級したとき取り組む「文章の図式化」の伏線となっています。

 図式という概念を視覚的に学ぶ経験は将来、自力で図式を書くときの重要な伏線となっています。

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