授業者の意図を的確に把握し、図式を書いたりプレゼンしたりした様子が伝わってきます。

　図式を書くことによって文章理解が自己採点出来る。端的に振り返ることが出来る。

　友達の書いた図式を見れば、文章内容が理解しやすい。

　図式を基にしたプレゼンは、回数を重ねるとともに上達する。

　こういうポイントをしっかりと学習してくれました。

　文章を図式にする、先生の話を聞きながら図式にする、家庭学習に図式を役立てるなど、指導者の意図した方向で「図式」を生かそうという気持ちが伺えます。

　指導者が生徒に示す図式は、私としては重要視しています。何事も（スポーツでも文化活動でも）お手本が目標になります。よいイメージを念頭に置いて練習すると、向上効率が上がります。

　日ごろ、さまざまな課題が目の前に出てきます。今回は、各学年次のような学習課題を提示して、生徒一人一人に自分の考えを「図式」で表現することを指示（時間４分）しました。

１年生　学校給食を廃止しよう！（反論）
２年生　スマホ所持　親を説得
３年生　テレワーク・オンライン授業　問題点

　各学年とも、大半の生徒が短い時間で自分の考えを図式にまとめて発表（40秒間）してくれました。

　ふだん我々は何気なくしゃべっています。日常会話では、そんなに意識的に緊迫感を持って聞いたり話したりは、そう必要ないかも知れません。

　しかし日常、空気のように聞いたり話したり話し合ったりしている、その一場面一場面が「言語力育成」の機会でもあります。

　脳裏に図式を意識しながら聞くと、内容が脳裏にくっきりと残りやすくなります。また、人に話すとき、図式を脳裏に浮かべながら話す（どういう構成で話すか？　どういう順番で話すか？　など）と、伝わりやすさ、聞きやすさが向上します。

　限られた制約の中でまとめるという学習は、集中力を生みます。

　要約学習では、例えば次のように時間を設定しています。

８分　文章を図式化する。
各40秒　４人グループ同士、２人ペアになりながらプレゼン。

７分〜８分　指導者の話を聞きながら図式化する。
各40秒　２人ペア同士、図式を見ながら話を再現する。

４分　指導者から提示された課題（上記）について、自分の考えを図式化する。

各40秒　２人ペア同士、図式を見ながら話を再現する。


　こういうふうに短時間にメリハリを付けて学習するという方法は、集中力を生みます。女子バレー部の指導をしていたとき、その威力を体感し、分刻みの練習計画を当時も取り入れていました。